症状別

野球肘の原因と治し方

こんにちは。
谷町四丁目院の垣尾です。
今回は野球肘の治し方について紹介します。

野球肘とは?

野球肘は若い野球選手に見られることが多い肘の障害です。
繰り返しの投球動作やスローイングによって肘関節に過度なダメージがかかることで発症します。
特に骨が成熟していない成長期は肘に伸展や内旋のストレスがかかり続けることで発症リスクが上がります。

最近では学生野球でも球数制限によって若い選手を守る方向へと制度が変化してきましたが「最後の大会」「全国がかかっている」「推薦がかかっている」など背に腹は代えられない状況だと学生は必至にプレーするため、まだまだこうした怪我は減りません。
記事を読んで少しでもお役立ていただけると嬉しいです☺

野球肘の原因

①過度な投球回数

先ほども述べましたが、今は投手を守るために球数制限を設けているためこういった原因は今後減少してくるとは感じますが、球数は試合に限らず練習での投げ込みやブルペンで肩を作る時、試合前のキャッチボールもすべて含めての「球数」なのでこの辺りはきちんと管理する必要があります。

②不適切なフォーム

身体の開きが早く肘が先行して伸びきる(ドッジボール投げのような状態)ようなフォームで投球を続けると肘への負担が蓄積されます。

③肩甲骨の可動域低下

肩甲骨には大きな筋肉が多く付着します。
大きな筋肉は生み出すパワーも大きいです。
ここで生んだ力を腕や手に伝達させることで強い打球を打ったり早いボールを投げることが出来ますが、肩甲骨に着く筋肉が硬くなりの肩甲骨を固めてしまうと上腕や前腕で力を作らないといけないため肘に大きな負担がかかることに。
これは回復後のリハビリでも優先的に取り組みたいです。

④急激な負荷増加

トレーニングの強度や投球回数を急激に増やすことで、肘にかかるストレスも大幅に増えます。
特に新チームになったばかりで張り切り過ぎたり、レギュラー争いをしている時は身体の声は届きにくいものです。
肩と同様に肘も消耗品なので、休息をとることも重要となります。

野球肘の種類と症状

野球肘には【内側型・外側型・後方型】の3種類あります。

①内側型(肘の内側)

内側型は最も頻発するタイプです。
筋肉・腱・成長軟骨などが使い過ぎによって炎症または損傷を起こします。ボールのリリース時に肘の内側に負担がかかることが要因です。

上腕骨内側上顆という肘の内側にある出っ張りに付着する筋肉にトラブルが起こりやすいです。

特にスライダーやカーブ系といった手首のポジションを決めて投げる球種は肘の内側の筋肉が硬くなりやすいです。加えて関節は捻じれる動きによって関節内の成長軟骨や靭帯にストレスがかかり損傷に繋がることがあります。これは変形や関節の成長を阻害する可能性もあるため要注意です。

②外側型(肘の外側)

外側型は「離断性骨軟骨炎」と呼ばれます。
通称【野球肘のガン】と言われ、痛みが出たタイミングでは遅い…と言われるほど😢

発症初期は無症状であることも多いので、個人的には定期的な検診が重要だと認識しています。
関節の中に軟骨が剥がれ落ちてしまう障害で、小中学生に多いのが特徴です。

上腕骨と前腕骨が衝突する方向にストレスがかかりやすくなります。そのストレスは直接、成長期に存在する軟骨やその周辺の骨にかかることになります。分離した骨片が関節の中を遊離すると肘関節をロックしてしまい関節が動かなくなることもしばしば。

自分自身、膝関節で同じ【離断性骨軟骨炎】を発症しましたが、軟骨内は血流が乏しいため回復までに時間を要します!
その間リハビリをきちんと行わないと復帰までさらに時間を要することも実感しました。

早急に適切な判断と処置が必要になる疾患です。

③後方型(肘の後ろ側)

リリース時からフォロースルーにかけて、一気に肘が伸びる瞬間があります。この時肘の後ろ側に痛みを感じるのが後方型です。

肘の後ろにある肘頭(肘の出っ張り)には、二の腕の筋肉である上腕三頭筋が付着しており、ここが硬くなると肘頭部分を引っ張り肘が伸びます。

投球時の上腕三頭筋の緊張が繰り返しかかるとで、炎症が起こったり疲労骨折の原因に…。
骨同士の衝突(インピンジメント)では投球で肘が強く伸ばされた時に肘頭と受け皿の役割をしている肘頭窩が衝突することで発生します。一回の衝突で発生することは少なく繰り返し衝突することで関節内の炎症もしくは疲労骨折を起こすことがあります。

特に成長期の肘頭付近には骨端線、成長軟骨といった骨の成長に必要な組織がある為、肘頭の障害は成長障害、関節の変形に注意が必要です!

上記が野球肘の主な症状となりますが肘関節には筋肉や骨、靱帯以外にも神経などの組織が複雑に密接している為、あらゆる障害が存在します。
野球肘は長期の運動制限が必要になるリスクもあるため、野球肘でお悩みの方は今の症状がどういう怪我の状態なのかを把握し、早急な処置が必要となります。

野球肘の治し方

肘の休息期間を設けるはもちろんですが、当院では野球に特化した治療法で早期回復を後押ししております◎

アキュスコープ・マイオパルスを用いて患部の治療、肩甲骨周囲と腕の調整を行うことでプレーを続けながら回復することが可能です。

当院の野球肘治療の一部を動画でも公開しております☺

肘の痛みや違和感でお悩みの方はお気軽にご相談くださいね。

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