こんにちは鍼灸師の富本です。
今回は、当院で行っている鍼治療について書かせていただきます。
「当院で」といっても今のところ、鍼灸治療は全て私が担当しているので、主に私自身の鍼灸治療の考え方について書いていることになります。
鍼って痛いんですか?
「鍼治療って痛いんですか?」
鍼灸師をやっていると耳からタコができるくらい頻繁に聞かれる質問です。
鍼治療と聞くと怖いイメージを持たれる方が多いのではないかと思います。
当然ですよね。
皆、鍼と聞くと注射針で使われている「針」の方を想像しますから、痛いイメージしかないでしょう。
実際のところは、鍼を受けた経験がある人に聞くと、「思っているほど痛くなかった」とか「全然痛くなかった」と言われる方がほとんどですが、ほとんどの人にとって馴染みのない治療ですから誤解を招いて当然です。
そんな怖いイメージを抱かれがちな鍼治療ですが、一度受けてみる価値はあります。
他の治療では治らなかった症状であっても改善が期待できます。
なぜなら鍼治療では、他の方法ではアプローチできない深部の筋肉まで直接刺激することができるからです。
鍼治療を行う一番のメリット
鍼治療の最大のメリットは深部の筋肉に対して直接アプローチができる点だと考えています。
例えば慢性腰痛の原因となっていることが多い「大腰筋」
腸腰筋という名前での方が知られていますかね?
この筋肉は教科書的には腰ではなく、お腹の後ろの筋肉に分類されますが、様々な点から慢性腰痛の原因となっていることが非常に多いです。
- 背中から触ろうと思っても、分厚い腰の筋肉に覆われているので難しい、、
- お腹から触ろうと思っても、腸があるので難しい、、
こういった深部に存在している筋肉に対して唯一物理的に直接アプローチできるのが鍼治療です。
背中側から表面の筋肉を経由してダイレクトにアプローチできます。
必然的に使用する鍼は長い鍼になります。
年齢や性別、体形によって異なりますが、例に挙げた大腰筋に鍼をする場合であれば、一般的には9センチ弱の鍼を使用します。
腰の奥の方にしこりのような塊を感じると言う方は多いですが、そのしこりこそが大腰筋の緊張であることが多いです。
鍼は響きます
鍼には響きと呼ばれる特有の感覚があります。
響きは痛みとはまた違った感覚ですが、普段の生活において全く触れることのない感覚ですので、人によっては痛いと感じる人もいるようですが、先述したように注射を指す時のような強い痛みなどとは全くの別物です。
響きを苦手に感じる人もいますが、響きの有無は治療効果に直結することから、当院では鍼をする際の響きの感覚を重要視しています。
筋肉には受容器と呼ばれる、感覚を司るセンサーが存在していますが、身体の表面に存在している筋肉よりも、深部に存在しているインナーマッスルの方が受容器の存在する密度が高いといわれています。
深部に存在している筋肉のコリは慢性痛の原因となっていることが非常に多いので、これらの筋肉を狙って鍼をすると必然的に響きが発生します。
先ほど例に挙げた慢性腰痛の原因となりやすい大腰筋も、インナーマッスルの一つなので響くことが多い筋肉です。
響きの感覚が苦手な人に無理に行うことはありませんが、治療効果を高めるために説明して、納得して頂いた場合、深部の筋肉を狙って鍼を打ちます。
微弱電流を使用します
症状にもよりますが刺した鍼に微弱電流を流します。
ケガからの早期回復に効果的な微弱電流を鍼に流すことによって、鍼との相乗効果でより速い回復が期待できます。
場合によって微弱電流以外の電気を使用することもあります。
施術後しばらくしてからの治療効果を重要視しています
治療後すぐの効果確認は行いますし、それも非常に大切ですが、どちらかというと、鍼をした翌日や翌々日の身体の状態を重要視しています。
というのも、筋肉などの組織が鍼によって微細なレベルで傷つき、そこから自己治癒力を活性化させて身体を治していくのが鍼治療です。
鍼治療という刺激に対する生体反応によって、筋肉の緊張がゆるんだり痛みが緩和したりするわけですが、それにはある程度の時間が必要なのです。
ですので直後効果も大切ですが、それ以上に数日後に現れる効果を重要視しています。
安全性
最後に安全性についてです。
深部まで鍼を刺すわけですから、必然的に浅い部分に鍼を刺すよりもリスクが高まります。
むやみやたらにやっているわけではなく、大腰筋刺鍼で有名な鍼灸院の講座に定期的に参加して技術を研鑽している鍼灸師のみが行っています。
また使用する鍼は全て使い捨ての鍼を使用して衛生面は徹底的に管理していますので安心して鍼治療を受けて頂けます。
ざっと挙げてみましたが、以上が当院で行っている鍼治療の特徴です。
当院で行っている鍼治療は、他の院と比べるとズーンと響く感じが出やすい強刺激の鍼治療です。
なかなか治らない慢性的な症状でお悩みの方は是非一度ご相談ください。