ドンッ!!!
コンタクトスポーツ経験のある方なら一度は経験したことがある
「相手選手の膝頭が自分の太ももに直撃・蹴られた時」のあの痛み。
とてもズンッとくるあの鈍痛、足を引きずって涙目になるほど痛いですよね。
そして、その後も痛みが引かず太ももが痛くて脚を引きずるような感じで歩かなければいけなくなります・・・。
屈伸運動すら出来ない時間が出来てしまいますね。
「大腿部の筋打撲・筋挫傷」です。
いわゆる「モモカン・チャランポ」のことです。
英語では「チャーリーホース」とも言われます。
※こちらについては地域によって言い方が異なるそうなのですが、完全に話が脱線するので後述したいと思います。↑
かくいう私、筆者自身もその被害者の一人です(笑)
私は学生時代バスケットボール部に所属しており、某バスケット漫画の有名なセリフにある通り
「リバウンドを制するものはゲームを制す」
という言葉を信じ、身長170cmそこそこの小柄な私がアウトサイドから大男たちがひしめき合うゴール下へと果敢にリバウンドへと飛び込みました。
運良くオフェンスリバウンドを勝ち取り、再度マイボールとなり着地したその瞬間でした。
ドンッ!!!
相手選手のリバウンド着地時の膝頭が私の太ももに直撃し、その場から動けなくなってしまいました。
その後ベンチへと下がり、とにかくアイシングをして対処しましたが、
数週間は「走る」のはおろか、「膝を曲げること」すらままならない状態で完治にとても苦労しました。
このブログ記事を読んでくださっている皆さんには、当時の知識の無かった私のようになって欲しくないので
「筋打撲・筋挫傷について」・「対処法について」お話していきたいと思います。
スポーツをしていると、どうしても避けて通れないケガかもしれません。
”知っている”ことで、だいぶと楽になるケガもあります。
太ももの打撲や挫傷にお悩みの方は是非参考にしてみてください。
「筋打撲・筋挫傷」とは?
コンタクトスポーツや格闘技などで相手選手の膝頭や頭部、球技におけるボールや道具などで
鈍的な直接的な外力が加わり、筋肉や腱、皮下の軟部組織に損傷が生じることです。
「太ももの前面(前側)」で好発し、その他にも「ふくらはぎ」や「上腕・前腕部」でも発生します。
「上腕・前腕部」においては、野球のデッドボールで特に発生しやすいです。
以前アップした「肉離れ」と症状は似ていますが、発生原因は異なります。
「肉離れ」は急激なストップ動作や筋肉に力が入った状態で引き伸ばされることで発生しますが、
「筋打撲・筋挫傷」は痛みの箇所への直接的な原因や外力が加わることで発生します。
症状は非常に似ていますが、発生原因は実は似て非なるものです。
「筋打撲・筋挫傷」の症状とは?
主症状として、激しい痛みや内出血による腫れ、関節の屈伸運動制限がみられます。
これらに伴い下肢受傷の場合は「歩行困難」、最悪の場合は「歩行不能」に一時的に陥ることも。
筋肉の内出血によって、損傷した筋肉に血腫(血の塊)形成され、
皮膚に光沢を帯び、血腫(血の塊)と熱感が受傷直後から数日間にかけて最大になります。
この血腫(血の塊)を見落とすと、血腫による*¹「骨化性筋炎」による関節可動域制限が残ってしまったり
筋区画の内圧上昇による*²「急性コンパートメント症候群」などに十分なりうるため注意が必要です!
※¹「骨化性筋炎」とは、損傷した筋肉の一部が出血した血液によって「骨化」、つまり骨になってしまうことです。これにより関節の可動域(動かせれる範囲)が減少してしまうのです。
※²「コンパートメント症候群」とは、筋肉にはそれぞれ部屋のような密閉された「区画」があり出血することによって、その区画内圧が上昇して、その周囲にある血管や神経を圧迫します。それによって、手足に不可逆性(一生治らない)の変形が残ることもあります。
処置・対処方法
「RICE処置」を可及的速やかに行うことがベストです!
「RICE処置」とは、下記の4つの英語の頭文字を取った造語です。こちらは基本的に全ての怪我に用いることができます。
Rest:休息、休養
Icing:冷却、アイシング
Compression:圧迫
Elevation:挙上
「RICE処置」について、具体的にそれぞれ見ていきましょう!
Rest(休養)とは、安静にしてなるべく患部を動かさないことです。可能であれば、損傷部位の上下位置関節は固定して動かさないようにしましょう。
Icing(冷却)とは、損傷部位の筋肉を氷を使って持続的に受傷直後から48時間冷やすことです。「アイシング」という方が皆さんには馴染みのある言葉かもしれません。アイシングの際のポイントですが、保冷剤ではなく氷嚢や袋に氷を入れて冷やしましょう。保冷剤はマイナスまで温度が達してしまうため、低温火傷の危険性があります。氷を使用する前に軽く水に晒してから入れるか、袋に氷と水を入れることで冷え過ぎことがなくなるので、低温火傷対策になります。また、袋内の空気をなるべく抜くことで患部に氷が密着しやすくなるので、オススメです。更に、氷は患部に密着しやすいクラッシュアイスがオススメです。
Compression(圧迫)とは、伸縮包帯などを用いて「患部を圧迫」することで腫れを防ぎます。ここでの注意点は、神経麻痺や循環障害が発生しないような強度で圧迫しましょう。こちらの確認に末梢(一番身体の端)の爪圧迫試験を行いましょう。爪をつまむなどして白くなりまた元の色に戻るまでが1秒以内であれば、循環障害は問題ありません。神経麻痺ついては、圧迫時に痺れや違和感はないか、時間経過で痺れや違和感が出ないかに注意する。もし症状が出た場合はすぐに固定による圧迫を緩めて下さい。上記で説明した「コンパートメント症候群」が発生する可能があります。
Elevation(挙上)とは、静脈血の流れをよくして、腫れを早く引かせます。より効果的に行うには、患部を心臓よりも高い位置にすることで、静脈還流(血液が心臓に戻る)が促進されてGoodです!
上記がRICE処置の基本的なやり方ですが、今回の「筋打撲・筋挫傷」の場合は上記に+アルファーで一手間増やしてあげます。
なんならすごく大事なポイントです。こちらもきちんとおさえて下さい!
それは「受傷した筋肉を伸ばしたまま」上記のRICE処置を行うことです!
なぜこのようにするのかの理由を説明していきます。↓
受傷した筋肉を伸張位にすることで筋肉が緊張して血腫形成を予防できるからです。
また、関節の可動域制限を最小に抑えることができるからです。
RICE処置をするか否か、受傷筋を伸張位にするか否かで時間経過による症状がかなり変わってきます。
RICE処置と受傷した筋肉を伸ばすことを忘れずに処置してあげて下さい!
受傷程度の簡易的検査方法
例えば大腿四頭筋打撲・挫傷の場合、膝の屈曲角度から受傷レベルを特別な検査なしに大まかな判断をすることが出来きます。
軽度の場合、膝関節が「90度以上」屈曲可能。
中等度の場合、膝関節が「90度まで」屈曲不可。
重度の場合、膝関節が「45度まで」屈曲不可。
※こちらの検査はあくまで簡易的なものです。医療機関受診の参考程度にご使用下さい。
精密な検査で判断したい場合は、医療機関での「超音波」や「MRI」をオススメします。
以上が、「筋打撲・筋挫傷」の主症状と適切な対処方法でございます。
もし今こちらをお読みのあなたが受傷してしまった際やチームメイトが受傷してしまった場合は、
あなたの適切な処置と判断が復帰までの時間を効率的にしてくれるかも!?ぜひご活用下さい!
当院で行っている肉離れに対する施術
当院では、筋打撲・筋挫傷の施術に関して独自の特殊な方法を用いて施術を行なっています。
微弱電流機器「アキュスコープ」「マイオパルス」ハイトーン機器「ハイチャージ」を用いて施術を行います。
微弱電流機器は我々が触診では確認できない体内の電気信号を機器自体が読み取り、正しい電気信号に書き換えることで身体本来の治癒力を引き出すことが出来ます。
即効性のある施術が可能となっております。
ハイトーン機器は我々が活動するためのエネルギーを生成している「ミトコンドリア」を活性することで、内臓疲労・筋肉疲労・冷えなどを含めた体に起きうるあらゆるストレスに効果が期待できます。
これらの機器を使用することでストレスのたまりにくい身体づくり、予防も可能となります。
更に必要に応じて運動療法、トレーニングなど機能改善の施術も行っております。
日頃のメンテナンスとしてもご利用いただけます。
症状によって来院回数、期間は異なりますので、いつでもお問い合わせ下さい。
番外編
今回の「筋打撲・筋挫傷」についての呼び方についてですが、地域によって様々な呼ばれ方をしているそうです。
「モモカン」「チャランポ」が全国的に多く呼ばれている呼び方だそうです。
他にも、「チャンポ」「カツキック」「カツ」「グリコ」などまだまだ地域によってあります。
筆者の出身の「兵庫県」では、「オジンキック」「ももかつ」「スタンガン」「ドンコ」と呼ばれているそうです。
筆者は「ドンコ」という名称で呼んでおりました。
「ドンコ」と「肩パン」は未だに腹立たしいです(笑)
以上関係のない番外編でした。
最後までお読みいただきありがとうございます。
次回のブログ記事もお楽しみに。